悪い印象の北向きは売りづらい?

住宅売買をする際の要素に、日当たりは必ず入るといっていいでしょう。
新築を購入する際には、この北向きの家は相場より少し割安感があったりするので、新築効果と相まって売れていきます。
共稼ぎ世帯の新築購入探しは、駅からの距離や間数(間取り)、予算バランスといったところの優先度が高い方が多いです。日中は仕事で家にいないので、室内の日当たりは重要視しない傾向が強いです。洗濯物などは乾燥機を利用する世帯も増えていて、部屋干し派が増えてきたのも理由でしょうか。



しかし、家族構成(子供の誕生など)の変化によって、現住居に対して手狭感や不満が生じた場合には売却を含めた住み替えを検討することもあります。


その際に北向きの家というのは、非常に印象の悪い部分がついて回ります。
日当たりが悪い。室内が暗い。かび臭いなどが主なところです。
新築物件の際のメリットよりも居住性の弱さが売却時の売りづらさにつながってしまうことがあります。


ですから、将来的に売却の可能性がある場合は、自宅の長所短所を明確にとらえて対策を考えていくことが必要になります。


例えば、前提条件として、利便性が高く共働きに好まれる立地であることとします。
北向きの家の日当たりが悪いについては、浴室乾燥機や洗面所に乾燥機を置くスペースがあれば、比較的問題としては小さくなると思います。
室内の暗さについて、昼間は家にいることが少ない方にとっては問題としては小さいのですが、売却時に家の内覧をする際には、暗い家の印象は非常に悪いです。
ですから、特に問題視されるのはリビングフロアなので、明るいカーテンや家具などで全体の雰囲気がライトに感じるとイイかもしれません。例えば、3階建て住居の場合は、南向きの家であっても、1階の部屋や浴室、洗面は暗くなることが多いですから、あまりナーバスにならず綺麗にしておくことを心がけておきましょう。


問題解決が難しいのがかび臭さです。風通しの悪くなりがちな部屋は、モノを移動したらカビが発生していることなどもあったりで非常に対処しづらい部分です。
普段の生活においては扇風機を回すなどで空気の循環を促したり、エアコンなどを利用することで湿度を下げるしかありません。
また、カビくさい部屋においては、布製品などに匂いが付着しやすいので、不要なものは置かないことも対策となります。
どうしようもない部屋については、費用は掛かりますが、販売直前にカビのにおいがついた壁紙を張り替えてイメージを今風にすることで販売価格への悪影響を防げます。


ところで、最近は家の向きや日当たりに対する考え方に変化が起きています。
厚さの厳しい夏の暑さが長引く時代になったため、間取りを考えるときに直射日光の入り方を弱める家が立つようになっています。南向きの家だけど、南の窓は大きな窓ではなくて、高いところに窓を配置して明るさを含めて、室内温度が上がることを防ぐというような考え方ですね。
自分でできる簡単なリフォームとして、断熱や遮光フィルムを窓に貼るということも流行っているようです。国の補助金が少し出るので内窓を付ける方も増えました。
北向きの日当たりの弱さは、今のトレンドには会いつつあるので、売主様の立場で動く方は、とにかく清潔感や風通しなどに対処していただくことで、新しい住居探しをする買主様たちにとってもマイナスイメージを払拭できるのではないでしょうか?