不安だらけのリースバック?

「リースバックって何でしょうか?」と最近質問されることが多いです。
最近よく聞くようになりましたね。
大手金融機関が主導するリバースモーゲージとは全く違います。


どちらかといえば、不動産買取業者や金融屋(中小規模)が主導する形で成長している分野だと思います。
自宅を売却して、まとまった売却代金を手元にもらいつつ、売った家は賃貸として住み続けるというものです。
安心できる担当者から説明を受け、しっかりとシステムを理解してから、話を進めていけるのであれば、新しい不動産の在り方として悪いものではないと思います。


しかし、複雑な取引なので、だまされる人が多くいらっしゃるのも事実です。



サンプルの話を1つさせていただきますね。
高齢のご両親とお子さんがご来店されて、親の賃貸探しのお手伝い。
聞いてみると、高齢になって収入が心細いと考えたときに、たまたま見かけたチラシに書いてあった「不動産の即現金化」・「そのまま住めます」・「周囲に知られない」などの魅力的な文言。電話で問い合わせて業者が査定買取と一気に進める押し買いに近い手法。


今の自宅を売却して、賃貸で住んでいるのですが、家賃の支払いが厳しいのではないかと不安になって相談に来られました。
自宅の場所や売却代金、賃貸契約の内容と賃料をお伺いしたところ、かなりうまくやられてしまったパターンになっていました。
①自宅売却金額が一般売却相場の7割と安い。3千万円(川崎エリアで高めな地域)
②賃貸契約は定期借家の契約で、2年ごとの再契約を相談とあって、解約の可能性もある。
③家賃が周辺賃料相場よりも圧倒的に高い。具体的に言うと賃料20万。(相場でいえば、15万くらい)


そもそも、将来的な老後資金に不安があって売却したのに、賃料20万だと年間240万円。12年ちょっとで売却代金の3千万は無くなる計算です。


ちょっと、難しいと思いませんか?


冷静に考えると初めからやめるべきリースバックの契約内容でした。しかし賃貸になって2年程度で、ことの重大さに気が付き、お子様の家の近くの弊社メグハウスに相談にご来店いただいて本当に良かったと思います。


ご相談をした結果、今の自宅は家賃20万で3LDKで車庫スペース付きなのですが、夫婦2人で広さを持て余しているということもあり、お子様の近所(今の場所から車で15分程度)で7万円、1F、2DKの賃貸物件に決めていただきました。車は今すぐは手放さないけど、数年後に80超えるときに手放す予定ということで駐車場代1万6千円。
合計で8万6千円となり、年額103万円程度に抑えることで老後資金の目減り速度を十分に遅らせることができて、ご家族皆様一安心されました。


リースバックというのは何がいいと感じるのかといえば、究極敵には「今の家に住み続けられる」ということです。
即現金化でお金をもらい、今の窮地を脱出できるのに、生活はそのまま変わりません。不動産の権利が所有から賃貸に変わるだけと勘違いされて利用される方が多いです。


リスクが巧妙に隠れている契約内容なので、話を進める前に同居の家族だけでなく、独立されているお子様や弊社メグハウスのような近所の話しやすい不動産屋さんで相談してみるのを強くお勧めします。