払えるわけがない住宅ローン

不動産の購入はご縁とタイミングといわれます。
だからと言って、勢いだけに任せた決断は非常に危険だと思いませんか。


街の不動産会社には、大手会社を選ぶ方とは違った目線でご来店される方も多いです。
つい最近、新築戸建てを購入し引き渡しも住んでいる方からの相談がありました。


聞けば、買ったはいいけど、「住宅ローンの支払いが難しい」というもの。
なんで?
資金計画を確認して住宅ローンを組んで購入しているはずですよね。
この支払いが困難になるケースで問題なのは、販売会社が進めた住宅ローンの金額の問題です。
住宅ローンは、組める金額と払える金額は、大きく異なることがほとんどです。


街中で配られたチラシを受け取って、立ち話で盛り上がって、現地を見に行って、そのまま不動産会社に行って資金計画を聞かされて。
急かされるままに、申し込みから契約まで、一気に進んでいったそうです。(昭和?)


フルタイムパートのお母さんと就職間もない娘さんの2人名義で住宅ローンの審査を進められたそうです。
このケースは、ローン金額自体はしっかりと組めてしまうのが怖いところなのです。
しかし、フルタイムとはいえ、出勤日数に左右される収入と入社間もなく、給与の手取り金額や支払いの動きを把握できていない状況。
冷静に考えれば、急ぎすぎた結果で追い詰められてしまったという感じです。

ご希望としては、引き渡し後すぐの売却で、全てをリセットしたいということで話を調整したいようですが、買値と売値に差が生じてしまいます。
これをどうするのかで家族で相談をして、祖父母から不足分の援助を受けることで販売をすることは可能というところまではこぎつけました。
援助がなければ、無理なローンを払い続けるか、もっと危ない橋をわたるようなことになってしまうケースです。


あとは、予定金額に近い数字で販売できれば、生活を立て直すことができるのですが・・・。
相談者は、あくまで普通の方で、特に見栄っ張りとかではありません。ただ、初めに相談した不動産の窓口が悪かったのだと思います。


不動産はご縁とタイミングと考えることは間違っていないと思います。
しかし、不安要素があるのであれば、一度立ち止まる勇気も必要ということです。